グルノーブル2日目
今日の午前中は、訪問先の先生とメランさんと3人で議論しました。同じテーマに取り組んでいる人達との議論は本当に有意義です。新たに考えてみたい問題も浮かんできました。
その後、イタリア人の理論家ピストレジさんを紹介してもらって議論。彼もジョセフソン接合やノイズなど、メゾスコピック系を幅広く研究しています。彼の部屋からは山並みが一望できて、とてもうらやましかったです。お互いの研究について話して、いろいろと質問しあって議論終了。訪問先の先生の部屋に戻って、みんなでお昼に行きました。
お昼を食べ終わると2時だったので、訪問先の先生にお礼を言って研究所を後にし、街中に向かいました。4時の電車まで少し時間があったので、昨晩から気になっていたケーブルカーに乗ることができました。川をまたいで山頂に着くので、結構なスリルが味わえます。山頂からの眺めは、雨がちな天気にも関わらず本当に素晴らしく、列車の時間ギリギリまで眼下に広がる街並みに見入りました。
たった2日間でしたが、極めて有意義な訪問となりました。
グルノーブル1日目
今日明日と、セミナー&議論をしにグルノーブルの研究所を訪問します。
利用するのは初めてのリヨン駅が始発だったので早めに家を出ましたが、全く問題なく予定通りグルノーブルまで着くことができました。親切にも、訪問先の先生がグルノーブル駅まで迎えに来て下さいました。お会いするのは初めてでしたが、ホームページで顔写真をチェックしていたのですぐに分かりました。
研究所に着いて、すぐにその先生と議論開始。自分の研究についていくつか説明しました。お昼になったので理論メンバー数名と食べに行き、午後はSTMの実験家を紹介して頂いて、彼の研究について議論しました。この研究所では、僕の関連分野に取り組んでいる研究者が沢山いるので楽しいです。また、論文で名前を知っている人達に直接会って議論をするのは興奮するものです。2時からは僕のセミナーでしたが、盛んに質問して頂いて有意義でした。なかなかこれだけいろいろ質問して頂けることはありません。セミナー後、同じテーマに興味を持っているメランさんと議論。最近僕がその結論に疑問を抱いている実験に関して自分の意見を述べると、意外にもあっさりと同意してもらえました(控えめな感じではありましたが)。彼の最近の研究に関しても説明して頂いて、気がつくと6時過ぎに。明日も時間はたっぷりとあるので、訪問先の先生に中心部にあるホテルまで案内して頂きました。
夜はひとりでぶらぶら。特に下調べもせずに来たので、川沿いを散歩してました。花束をもった男性がちらほらいるなと思ったら、なんと今日はヴァレンタインデーだったのですな!どこかのレストランでは、ハート型に切った紙がテーブルの上に散らされていて綺麗でした。僕はとりあえずマックで簡単にすませ(泣)、どこかでビールでも飲んでホテルに戻ろうとウロウロしました。すると、道端に場末の飲み屋が!ちょうど良いと思って中に入ると、ビールを飲みながらトランプに興じるオヤジ達の視線が僕に一斉に向けられました。日本のこじんまりとした居酒屋に、突然フランス人がひとりで現れたようなものでしょうか。こんばんわと言われたので僕もあいさつをして、店の人はどこかなと思ったら、そのトランプオヤジの一人が店のオヤジでした。安いビールを注文して、ひとりでボーっと飲んでいました。実は、こんなのが僕の夢のひとつでした。地元のちょいダメオヤジ達が集まる場末のバー。そこにひとり、まるで地元の人間のように(は決して見えないが)静かにワンパイントのビールを飲む…。明日も早いので適当なところで切り上げ、ホテルに戻りました。シンプルで清潔なホテルで、快適に過ごすことができました。
明日の議論も楽しみです。
バルコン席
なんと先日、ネットでオペラ座のホームページをチェックしていたら、「ドン・ジョバンニ」のバルコン席が1枚だけ出ていて、購入することができました。
バルコン席は、(日本式に数えて)1階の真ん中から後ろにかけて設けられている、舞台を観るにも聴くにも最高の席です。しかも取れたチケットは、バルコン席の2列目ど真ん中だったので、我が家では「王様の席」と呼んで喜びました。
ドキドキして席で待つと、いよいよ指揮者が登場し照明が暗くなります。そして、前奏曲がバーンと始まった瞬間、こんなに素晴らしい音があるのか!と体に衝撃が走りました。前回の端っこの席で聴いた時とは全く違う印象です。比較的オペラやコンサートには足を運んでいる方だとは思いますが、オーケストラの音に対するこういう感覚は初めてです。何事も経験してみなくては分かりませんが、今回のことはそのことを改めて認識させられる出来事でした。本当に聴きに行って良かったです。
高いチケットでしたが、絶対に今後の僕のためになると確信をもって買うことを勧めてくれた奥さんにとても感謝しています。
懐かしの場所
今日はお休みを頂いて、昨日到着した友人とパリを回りました。
実は、初めての海外旅行がパリでした。その時は、所属していた合唱団でバッハのロ短調ミサを歌う演奏旅行だったのですが、何せかなり昔のことなので、泊まったホテルや歌った場所(ユネスコホール)など、ほとんど記憶がありません。その演奏旅行には友人も参加したので、彼とそういった懐かしの場所を探してみることになりました。
ユネスコホールに関しては、友人が事前に場所をチェックしてくれていたのですぐに見つかりました。問題は、泊まったホテルです。しかし、見覚えのある高架橋などの風景を手がかりに歩いた結果、友人がすぐに気がついて簡単に見つけることができました。いざその場所に行ってみると、いろいろな記憶が蘇るのが嬉しいです。友人が来なければ、行くこともなかった懐かしい場所を訪れることができてよかったです。
その後、エッフェル塔のてっぺんまで登ったり(とても怖かった)、モノプリで友人のお土産を選ぶなどして過ごし、夜にはマドレーヌ寺院で行われるペンデレツキ(現代作曲家)の演奏会へ向かいました。有名なクルト・マズーアによる指揮で、オーケストラや合唱、そしてソリストもいるにも関わらず、入場無料!こんなのが無料で聴けるとは…と興奮しながらふたりで会場に着いたときには、すでに長蛇の列ができていました。それでも並んでみましたが、あと少しというところで、「もういっぱいです!」という会場担当者の声…。残念でしたが、計画を変更して少し早めに食事をすることにしました。
夕食は、オテル・ド・ヴィル界隈のフレンチレストランでとりました。折角だから、ということでちゃんと前菜、メイン、そしてデザートまできっちり頂きました。僕はメインまでで既に満腹なところに、デザートとしてチーズ盛り合わせを頼んだため、かなりおなかいっぱいになりました。
友人が訪ねてくれたおかげで、思わぬ場所にも行くことができて、とても楽しい一日でした。
友人来仏
今日の夜は、大学時代の友人がパリを訪れるので、空港に迎えに行きました。
友人が到着するのはシャルル・ドゴール空港(CDG)なのですが、以前CDG2には先生を迎えに行ったことがあったので、今晩友人が到着するCDG1もまあ同じようにすぐ分かるだろうとタカをくくっていました。ところが!RER Bに乗って、予定より少し早めにCDG1駅に到着したのはよいものの、空港にどう行ったらいいのかがさっぱり分からない!ちょっと慌てつつも、外に出るとちょうと"DESTINATION TERMINAL 1"などと表示されたバスが来たので、いちかばちか乗ってみたら正解で、無事空港にたどり着きました。バス降り口から到着ゲートまでも結構分かりづらく、ドキドキしながら歩きましたが、結果としては最短ルートで到着時間前に着くことができ安心しました。そして、無事友人と再会。
そしてRERでマレ地区にある友人の宿まで行き、近くのパブで飲みながらいろいろと話をしました。店員も客もとてもフレンドリーな雰囲気でとても素敵でした。スコットランドとフランスのサッカーの試合があったのか、ピカピカ光る両国の国旗バッジを配っていて、僕はスコットランドの方をもらいました。ピカピカさせながら飲んでいたら、近くで飲んでいた(おそらく)スコットランド人グループに「グッド!」と言われました。こういう雰囲気は、何だか楽しくて僕は好きです。でも、フランスのバッジももらえばよかった…。
帰りは午前様になってしまいましたが、とても楽しかったです。