サンジェルマン界隈でお食事
今日の夜は、受け入れ先の先生の提案で、College de Franceの近くにあるレストランで一緒に食事をしました。
僕と奥さんのほかに、実験家のマルコさんと、論文では名前をよく知っていたアッカーマン先生が招待されました。そのレストランには温泉タマゴ(``Onsen" eggと書いてあった)のスープがあったので、それを頼んだらおいしかったです。フランス滞在でビックリしたことは?と聞かれたので、素直な感想を述べました。それは、世界はどんどんユニバーサルになってきているので、ものすごくビックリ!信じられない!という経験はあまりなかったけれども、日常における「ほんの些細な」フランス人の振舞いや言動の中に、日本の文化との「大きな」違いを感じたということです。その違いを感じることができたのは、一定期間フランスで生活したことによる大きな収穫だと思っています。
そういえば今朝大学へ向かう列車の中で、なんと4人も演説をしてお金をせびる人が現れましたが、そのうちの一人が演説の最後に「お仕事頑張って下さい」と言っていました。「お前こそ頑張れよ」と心の中で思ったのは僕だけではないでしょう。
セミナー@ベオグラード大学
今朝は、大学に行くまで市内を散策しました。カレメグダン公園は起伏のある土地で、眺めがとても気持ちよかったです。と同時に、公園の中にはかつて使われた戦車や大砲が至る所に置いてあり、この場所を寂しげな雰囲気にしています。
今日は僕がセミナーをする日です。ところがなんと、セミナー開始直前になって大学とその周辺が停電になってしまいました。まだこういうことも起こりうる国なのですね。ホワイトボードを使ってやりますよ、とラドビック先生に話していたところ、無事復旧してプレゼンをすることができました。セミナー後にひとりの女性が僕のところに来て、「この大学ではふだんあまりいいセミナーが行われないけれど、今日は面白いセミナーを聞けてとてもよかった」と言って下さいました。よくある褒め言葉ではなく、心からそう感じて話しているのが伝わってきたので、僕もとても嬉しかったです。またこれは後で聞いた話ですが、セミナー中に何度か質問して下さった年配の女性は、パスカル先生の昔のガールフレンドだったそうです。
今晩はベオグラード最後の夜なのでひとりで街をぶらつきましたが、アジア人をほとんど(全くに近いくらい!)見かけないことに驚かされます。そのため、僕が歩いているとチラチラとこちらを見られるような感じがしました。またベオグラードのポストカードの中に、ベオグラード空爆の写真があるのが印象的でした。まだまだ戦争の爪痕が色濃く残っている(そして現在も紛争が続いている)街だからこそ、何とも言えない寂しさがこの街全体を覆っている感じがします。
ホテルに戻ると食堂の方が賑やかなので行ってみました。するとバンドが生演奏していて、なんと酔っぱらったオヤジがおなかを出して陽気に踊っていました。ヨーロッパでここまで羽目を外した酔っぱらいは初めて見ました。同じヨーロッパでも、場所によって本当に雰囲気が違って新鮮です。
ベオグラードへ!
今日から、ラドビック先生のいるセルビア・モンテネグロ共和国の首都、ベオグラードへ出張です。
先日、ラドビック先生がパリに来ていた際にランチを一緒に食べて、その後の何気ない会話の中で招待して頂けることになりました。ただその時点では、僕自身についている予算はほとんど使い切っていたため、行けないかな・・・とあきらめかけていたのですが、なんとモンタンボー先生が研究所の予算から飛行機代を出してくれることになったのです。本当に感謝です。これからの人生でも、そうそうベオグラードを訪れる機会はないでしょうから、とても貴重な経験になりそうです。
行きは一番安い航空券を選択したため、チューリヒ経由となりました。チューリヒ空港の乗り継ぎの待合スペースでは、東欧系の人達の割合が多く、今からベオグラードに行くんだ!と気分も盛り上がります。ベオグラード空港に着くとラドビック先生が迎えに来て下さっており、タクシーで市内まで御一緒しました。僕が泊まるホテルは、ベオグラード大学のすぐ近くの便利なところを準備して頂きました。ホテル内や部屋もシンプルで快適です。
その後大学を訪れて、ラドビック先生のところのスタッフや学生を紹介して頂き、主にラドビック先生や学生のステファン君(トビー・マグワイア似)と議論しました。夜は、その二人にセルビア地元料理のレストランに連れて行って頂き、ごちそうになってしまいました。
ピカソ&リゴレット
今日は昼にピカソ美術館に行き、夜はバスティーユで「リゴレット」を観ました。
ピカソ美術館では、「ピカソ」と言われて頭に浮かべるイメージとは全く異なる彼の作品に触れることができました。ピカソの幻想的な絵がとても好きになりました。
リゴレットは、オケピットのすぐ近くで真ん中という、とても迫力のある位置で観ることができました。全体的にとてもよかったですが、特にリゴレット役の歌手の演技が素晴らしかったです。声自体はあまりピントが合っていない感じなのですが、その演技のおかげで劇にのめり込むことができました。ジルダはかなり声のクセが強かったですが、「慕わしき人の名は」の超絶技巧など決めるところはきちんと決めてくれました。マントーヴァ公爵に関しては声量も華やかさもいまいちでしたが、そこそこには良かったです。しかし「女心の歌」を歌い終わった直後に、タイミングのよい大きなブーが一発飛んでビックリしました。僕の感覚では、確かに興奮は全くしない歌だったけれども、ブーイングをするほどはひどくなかったように思えます。その他では、スパラフチーノ役の歌手の動作が多少奇妙でしたが、声は安定していてとても良かったです。
フランスにいる間に4回もオペラを観ることができました。快く、というよりもむしろ積極的に支援してくれた奥さんに感謝感謝です。